M&Aを活用した事業承継の事例紹介-3
M&Aを活用した事業承継の事例紹介-3
●本コラムについて
M&Aを活用した事業承継事例をご紹介している本コラムですが、今回は株式会社アークス(以下、「アークス」)及びその子会社である株式会社ベルジョイス(以下、「ベルジョイス」)と、株式会社みずかみ(以下、「みずかみ」)の3社が経営統合を行うことについて、検討・協議を進めることについて基本合意書を締結した事案についてご紹介いたします。
●取引の概要
基本合意締結日 :2023年5月2日
取引形態 :未定*1
取引金額 :未定*1
最終契約締結予定日 :2023年7月4日*1
経営統合効力発生予定日 :2023年7月4日以降*1
*1:アークスが公表した「株式会社アークス及び事業子会社の株式会社ベルジョイスと株式会社みずかみとの経営統合に向けた基本合意書締結に関するお知らせ」(以下、「本件プレスリリース」)によれば、経営統合に関する具体的な方法や取引金額並びにスケジュール等は、当事者間での検討・協議や今後実施予定のデューディリジェンスの結果等を踏まえて確定していく予定
●取引の背景等
前回のコラムでもスーパーマーケット事業に関する事例をご紹介しました。そのなかで、少子高齢化等を背景に競争激化が進む同業界においては、ドミナントの強化・拡大等を企図したM&A等が盛んになっているとご紹介いたしました。
今回ご紹介する事例はアークスとその子会社であるベルジョイスによる経営統合事案です。本件プレスリリースによれば、今後も続く厳しい経営環境下において、アークスグループとの経営統合により同グループの経営基盤を最大限に活用したシナジーを享受することで、みずかみが地域経済にさらに貢献できると判断したようです。
アークスグループは傘下にスーパーマーケット事業を営む10社を抱え、東日本エリアにおいて事業を展開しておりますが、本件経営統合によりこの経営基盤を強化し、アークスのコーポレートステートメントである「豊かな大地に輝く懸け橋」に資すると期待し、基本合意に至ったとのことです。
ベルジョイスは岩手県を中心に事業展開しており、アークスグループの中でも特にシナジーの発揮・享受が期待できると考えられます。経営統合の形態は今後決定されるようですが、株式譲渡や吸収合併、株式交換等の手法のなかから、それぞれのメリット・デメリットを比較衡量のうえで決定されることになります。
●出所
アークスIR資料「株式会社アークス及び事業子会社の株式会社ベルジョイスと株式会社みずかみとの経営統合に向けた基本合意書締結に関するお知らせ」(2023年5月2日)
東京事務所/公認会計士 青木信暁