M&Aを活用した事業承継の事例紹介-5
●本コラムについて
M&Aを活用した事業承継事例をご紹介している本コラムですが、今回はトナミホールディングス株式会社(以下、「トナミHD」)による丸嶋運送株式会社(以下、「丸嶋運送」)の子会社化(2023年10月2日公表)、並びにトナミHDによる山一運輸倉庫株式会社(以下、「山一運輸倉庫」)の子会社化(2023年10月3日公表)についてご紹介いたします。
●取引の概要(丸嶋運送)
株式譲渡契約締結日 :2023年9月1日
株式譲渡実行日 :2023年10月2日
買手 :トナミHD
買手側アドバイザー :不明
売手 :不明(個人株主)
売手側アドバイザー :不明
対象会社 :丸嶋運送
取引形態 :株式譲渡
取引金額 :非開示
アドバイザー報酬 :非開示
●取引の概要(山一運輸倉庫)
株式譲渡契約締結日 :2023年9月1日
株式譲渡実行日 :2023年10月3日
買手 :トナミHD
買手側アドバイザー :不明
売手 :不明(個人株主)
売手側アドバイザー :不明
対象会社 :山一運輸倉庫
取引形態 :株式譲渡
取引金額 :非開示
アドバイザー報酬 :非開示
●取引の概観
●取引の背景など
トナミHDは東証プライム市場に上場する会社で、物流事業を展開しています。同社は「第2次中期経営計画」のなかで掲げる重点戦略「①事業の成長」のなかで、「M&Aや事業再編の推進」を挙げています。
特に、物流業界はいわゆる「2024年問題」のなかで輸送能力の不足が経営課題とされており、2024年には14.2%、2030年には34.1%とそれぞれ輸送能力が不足するとも言われています*1。M&Aを推進する背景には、この2024年問題への対応もあると考えられます。
丸嶋運送は奈良県天理市に本社を置き、トラック輸送並びに倉庫事業を展開し、関西・関東圏へのスピーディーな配送を強みにするとのことです。他方で山一運輸倉庫は静岡県富士市に本社を置き、同じくトラック輸送並びに倉庫事業を展開し、富士市の主要産業である製紙関連の物流を主に取り扱っているとのことです。
いずれも、トナミHDの新たな拠点として融合することで、総合的なロジスティクス提案力を強化することが可能であり、業容の一層の拡大を見込んでいるとされています。
●出所:トナミHD IR資料
「丸嶋運送株式会社」の株式取得に関するお知らせ(2023年10月2日)
「山一運輸倉庫株式会社」の株式取得に関するお知らせ(2023年10月3日)
2022年3月期決算説明資料(2022年5月30日)
東京事務所/公認会計士 青木信暁