海外拠点監査時の落とし穴
みなさん、こんにちは!
アル・スールの防災責任者のMDです。ここ最近ぐっと暑くなってきました。熱中症にお気を付けください。
さて、前回から少し間が空いてしまいましたが、今回のお題は“海外拠点監査時の落とし穴”です。大きく3つご紹介です。
1.祖先を辿る
海外拠点の内部監査をする際に、海外拠点がどういう成り立ちなのか、歴史を把握しておくことが大事です。
現地オーナー企業を買収したのであれば、オーナー企業時がどうやって始まったのでしょうか。日本親会社がゼロから立ち上げたのでしょうか。ともすればテンプレート化しがちの内部監査手続も、成り立ちによって、アプローチや勘所など変える必要が出てきます。
オーナー企業を買収した子会社といったケースは、創業家親族やオーナーがいれば是非直接インタビューをし、会社への思いを聞くことが大切です。ゼロからの立ち上げの場合は、立ち上げメンバーや現地採用のプロパー従業員の思いを聞くことも大切です。
何を理念とし、どういった思いがあり、何を会社通じて期待しているのか、様々な人模様・会社模様が見えてきます。
2.道具は持ったか?
監査をする側として監査人としての厳格さを持った立場を持たないといけません。これを一発で崩してしまうのが、IT道具です。過去に幾度か目の当たりにしてきました。被監査拠点と同レベルの基礎的IT道具を持つことが大事です。
電話・メール、オンライン会議のツールを支障なく使えるか、資料やデータの受け渡しのツールなど、国々によって使用されるITツールは異なり、どういった方法ややり方でコミュニケーションをとるのかは異なってきます。日本のITツールの使い方は世界の中ではかなり特殊である、との意識をもって海外拠点監査に臨みましょう。
3.沈黙は鉄仮面
意外に気を付けなければならないのが、沈黙タイム。海外監査をする際に、監査事前の打ち合わせ、監査開始時のキックオフ、監査中でのコミュニケーションの時、沈黙があると相手の心は鉄仮面になってしまいます。
世間話をする、目に見えるものから話を切り出すなど沈黙が続かないように話を続けましょう。日本では良しとされる、多発する沈黙が、一度海外での監査になると警戒感を呼び、引き出したい情報も出にくくなります。気を付けましょう。
東京事務所 / 公認会計士 森 大輔 (MD)