2023年11月、シンガポールの住宅事情【コンドミニアム編】
前回のコラムに続き、シンガポールの住宅事情について、2023年11月現在の状況をお伝えします。
外国人の駐在員・起業家など外国からの移住者に関して言えば、セキュリティや利便性などの観点から、住居はコンドミニアムを選択するケースが一般的です。
外国人が多く住むコンドミニアムと家賃の高騰
コンドミニアムは、中心部から郊外、セントーサ島までさまざまな地域にあり、敷地内に備えられたプールやジム、ファンクションルームなどの設備を利用できることも魅力です。
シンガポール都市再開発庁(URA)のデータによると、住宅賃料は2021年以降上昇し、2022年には過去最高の水準まで高騰しました。新型コロナウイルスの流行が沈静化したことに伴って経済成長が再開したことによるものだと思われます。現在もシティ中心部、イーストエリアなどではかなりの高騰が続いています。この家賃の高騰に伴って、駐在員の住宅手当を上げた日系の会社も多かったそうです。
※本日(2023年11月1日)は1シンガポール・ドル=¥110.43。
金銭的に厳しい住宅事情と筆者の体験談
ちなみに筆者の自宅はシンガポール中心部のオーチャードとリバーバレーの境目あたりのいわゆるセントラルエリアにありますが、更新期間が1年だったため、やはり更新時に家賃を上げられてしまいました(泣)。日本の多くの賃貸住宅の更新期間は2年に対して1年だったので、入居時から嫌な予感はしていましたが…。
幸い(?)にも部屋がかなり狭い一人暮らし用の住宅で、かつ隣のユニットと玄関ポーチを分け合うデュアルキータイプという珍しい物件だったことで、家賃の引き上げはS $200以下にディスカウントしていただきました。(おそらく日本人女性の一人暮らしで、清潔に住んでいると不動産エージェントの担当者にアピールしていただいたからというのもあるでしょう。)ただ、日本円に換算すると入居時から約¥70,000も上がってしまいました。
シンガポールでは、1つのフラットを複数人で分けて住むシェアスタイルも一般的ではありますが、中心部で日本のクオリティのコンドミニアムでの暮らしを求めてしまうと、例えシェアであってもS$2,000くらい〜の家賃で、決して手頃さを感じません。
このような感じで、もともと国土が狭く家賃が高かったシンガポールですが、2023年現在の日本円換算で日本の東京で同様の立地・広さ・クオリティの集合住宅を想定した場合、約2倍の家賃を支払わなければ住めない状況になっています。
住宅のクオリティ・広さなどを鑑みた家賃を考えると、シンガポールはここ2年でいつの間にかニューヨーク・シティと並んで、世界トップとなってしまいましたね…。
次回からも、シンガポールの物価などについて現地の情報をお伝えしていきます。
シンガポール事務所/石原有起